社内Wiki構築にあたってMediaWiki、PukiWiki、DokuWikiを比較

2021-12-31

私自身は情報処理安全確保支援士ですが、基本的に異分野の仕事のためPC・ICTに精通しているわけではありません。ましてや、使うのは同じ職場のスタッフになるため年齢もITリテラシーも様々です。

そんな状況で社内wikiを導入する際に 導入しやすさから保守も含めた運用と、スタッフが利用することを考慮して「どんなwikiシステムを使うのが良いのか?」を考えた時のまとめです。

社内wikiを導入するまでの経緯

IT部門が無い会社や、あったとしても頼れない状況での参考になればと思っています。

導入の条件

普通のPCで稼働できること

部署内でファイルサーバーとして使っている(安い)PCで動かすため、あまり負荷が大きいと安定稼働ができなくなります。

このPCとXAMPPで安定的に動くことが必要です。

更新頻度・情報量は少ない

業務マニュアルにしてもナレッジベースにしても、そもそも4人しかいない部署のため情報量は少ないです。

保守運用が簡単なこと

保守だけでなく万が一の復旧の際も手順が複雑になると対応が難しくなるため、復旧も含めて簡単な運用ができる事が必須です。

テスト環境の構築手順

wikiの現状

2021年時点では有料だけでなく無料も含めてクラウド型のwikiサービスが多く、どちらかと言うとwikiシステム単体と言うよりは情報管理ツールの一部としてwikiが使われているようです。

そんな中で改めてインストール型のwikiシステムを導入しようとしましたが、思っていた以上に新しい情報が少なく、また散在していました。フリーでインストールできるwikiシステムのうち、2021年現在で更新されている(と思われる)ものは「MediaWiki」、「PukiWiki」、「DokuWiki」くらいだと分かりましたがでしたが、MediaWiki以外はまとまった情報は少ないです。

そのため、クラウド型の情報管理ツールが使える場合は迷わずクラウドサービスを選択する方が苦労が少ないです。

フリーでインストールできるwikiの比較

MediaWiki

WikiPediaで使われているwikiシステムのため信頼性・安定性は一番高いと思っています。ドキュメントも日本語に翻訳されているため、必要な情報を集める場合でも困ることは少ないです。

特徴

  • データベースを使うため情報量が増えても安定した稼働ができる。
  • 本家WikiPediaでも使われているため今後も更新は続くと考えられる。
  • ビジュアルエディタが標準でインストールできる。

データベースを使っているため拡張性が高く、情報量が増えても安定した稼働ができる事が一番の特徴だと思います。また、誰でも使いやすい事を考えると、ビジュアルエディタが標準でインストールできるのは大きなポイントです。

ですが、データベースを使っているため保守・復旧の際は若干手間が増えてしまいます。また、ページをカテゴリやタグで分けるため、多くの文書が複雑な関係性を持つ場合の検索性では便利ですが、統一して管理するには慣れが必要です。

MediaWikiサンプルサイト(いつか作成)

MediaWikiの場合、ビジュアルエディタでAPIが必要になる事からレンタルサーバーでの稼働が難しく、サンプルサイトが作れていません。

いい解決方法を考えたらまた作成します。

PukiWiki

日本で開発されたwikiシステムで導入して使うまでが簡単にできることが特徴です。2020年に更新された1.5.3が今のところ最終バージョンですが、開発日記では現在も更新は行われているようです。

特徴

  • 導入・運用が簡単。
  • 階層型のページ管理が可能。

何よりも使い始めるまでのステップが少ない(フォルダごとコピーするだけ)ため、ユーザーが便利に使うことを目的に導入する場合はとても便利です。また、MediaWikiと違って階層でページを管理できるため、マニュアルのように順序だてた構成を持つ文書を直感的に管理しやすいです。

問題点としては、ユーザー、情報量とも他のwikiシステムより少ないためプラグインのトラブルなど自己解決が必要な場合が出てきます。また、デザインはかなりシンプルで、正直見た目の古さ感は否めません。

Pukiwikiお試しサイト

DokuWiki

こちらもデータベース不要で使えるwikiシステムです。ユーザーはPukiWikiよりも多いようですが、英語圏での使用が多いためか情報は英語が中心になります。プラグインも豊富で更新頻度も高いため、英語が苦にならない方はPukiWikiよりも使いやすいと思います。

日本語ページは情報が古いため、英語ページを基本にしてください。

特徴

  • 導入・運用が簡単。
  • ビジュアルエディタが標準で使える。
  • 階層型のページ管理が可能。

こちらも、解凍したフォルダをコピーするだけでインストール終了です。言語設定を日本語に変更すると日本語で使えるため、使用に関しては英語を使わなくても大丈夫です。

また、編集は標準でビジュアルエディタが使えますが、編集画面にはwikiの記法に変換されたものが表示されるため多少慣れは必要かと思います。とは言え、データベース不要でビジュアルエディタも使えるため導入・運用を含めて非常に使いやすいwikiシステムです。

DokuWikiサンプルサイト

結論としてはPukiWikiに決定

比較ではDukuWikiの方がいい点を書いていましたが、結論としてはPukiWikiを導入することに決定しました。運用を含めてDukuWikiが1番評価が高く、運用・復旧のスクリプトを作れば機能的にはMediaWiki、PukiWikiは機能、運用ともにどちらもそこそこの評価でした。

なんですが、MediaWikiとDokuWikiでは新しいページを作るために検索をするのが感覚に合わず、新規作成ボタンがある事が理由でPukiWikiになりました。

大切な新規作成ボタン

wikiの思想では検索して無ければ新しいページを作るのが合理的ですが、システムの仕組みや考え方に触れない普通の人の経験からは肌感覚に合わないのも確かです。「新規作成ボタンを追加」するプラグインが見つかればよかったのですが、ちょっと探しただけでは見つからなかったのでPukiWikiにビジュアルエディタを導入して利用することになりました。

使いやすさを目的にwikiを導入することにしたので、全員が使いやすいと思ってもらえることが一番として運用中です。

追記

DokuWikiでもプラグイン「Add New Page」追加で新規ページの作成ができたので、違いはプレビューしながら編集可能かどうかだけになりました。