【ミニPC】PassMarkのスコアからPCMark 10 Expressスコアを計算:性能・使い勝手を評価

2022-08-10

以前、古いPCや低コストPCを集めたPCMark 10 Expressスコアと実際の使用感を比較や、PCMark 10 ExpressスコアとPassMarkスコアの比較をしました。

今回は、両方を合わせて売れ筋ミニPCのPassMarkスコアから実際の使用感とコストパフォーマンスを机上比較をしてみます。

ざっくりとした参考にはなると思いますが、趣味の範囲のため正確性や信頼性については目をつぶって下さい。

・低コストのミニPCを上手に使う事が目的のため、GPU性能はほとんど考慮されていません。主にCPU性能の比較になります。

PassMarkとPCMark 10 Expressスコアの回帰式

エクセルで作っただけの回帰式ですが、R二乗値はAverage CPU Mark:0.86、Single Thread Rating(STR):0.83とそれなりには当てはまっています。

手順と評価基準

計算PCMark 10 Expressスコア

Average CPU Mark、STRともに、得られた回帰式から求められるPCMark 10 Expressスコアを算出(計算PCMark 10 Expressスコア)

Average CPU Markからの回帰式:計算PCMark 10 Expressスコア = 73.742 × Average CPU Mark^0.445

STRからの回帰式:計算PCMark 10 Expressスコア = 1.3636 × STR + 506.16

予測スコアの計算

計算PCMark 10 ExpressスコアはAverage CPU MarkとSTRで違うため、平均をとって予測スコアとします。

ここで、予測スコアが2,500以上の場合は負荷の小さい処理が中心の場合は不満なく使えるPCとします。

予測スコアと価格の比較

コストパフォーマンスの指標として価格/予測スコア比を計算し、スコア当たりの価格を求めました。同じ予測スコアの場合、価格/予測スコア比が低い方がコストパフォーマンスが高くなります。

比較したミニPC

Amazonの売れ筋ランキング:ミニPCからピックアップした11機種を比較しました(販売元が違うだけの同じPCは一緒にまとめています)。

一覧表

機種名価格CPUメモリSSDAverage
CPU Mark
STR
Bmax B221,990Atom
E3950
8GB128GB2103740
Bmax B2 Plus24,990Celeron
N4120
8GB256GB25191106
CHUWI HeroBox25,900Celeron
J4125
8GB256GB29821170
CHUWI LarkBox Pro16,150Celeron
J4125
6GB128GB29821170
CHUWI CoreBox48,900Core i5
8259U
16GB512GB80562273
Beelink U5930,799Celeron
N5095
8GB256GB40141509
Beelink Minis24,480Celeron
N5095
8GB256GB40141509
Beelink SER484,800Ryzen 7
4800U
32GB512GB170142591
GMKtec ‎NucBox534,980Celeron
N5105
8GB256GB40221515
MINISFORUM
DeskMini UM350
54,980Ryzen 5
3550H
16GB512GB79652072
MINISFORUM
EliteMini HX90
116,980Ryzen 9
5900
32GB512GB230873224

Bmax B2

*Bmax B2であって、Bmax B2 Plusではありませんのでご注意下さい。

価格

21,990円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Atom E3950(PassMark:Average 2103, STR 740)
  • メモリ容量:8GB
  • SSD容量:128GB

Bmax B2 Plus

低価格ですが、オフィスソフトが中心の場合は十分安定して使える性能です。

実際のレビュー

価格

24,990円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Celeron N4120(PassMark:Average 2519, STR 1106)
  • メモリ容量:8GB
  • SSD容量:256GB

CHUWI LarkBox Pro

価格

16,150円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Celeron J4125(PassMark:Average 2982, STR 1170)
  • メモリ容量:6GB
  • SSD容量:128GB

CHUWI HeroBox

価格

25,900円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Celeron J4125(PassMark:Average 2982, STR 1170)
  • メモリ容量:8GB
  • SSD容量:256GB

CHUWI CoreBox

個人的に、5万円以下で購入できるPCではコストパフォーマンスがとても高く、お勧めするミニPCです。オフィスソフトだけでなく、マインクラフトくらいの軽いゲームは普通に遊べる性能を持っています。

実際のレビュー

価格

48,900円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Core i5 8259U(PassMark:Average 8056, STR 2273)
  • メモリ容量:16GB
  • SSD容量:512GB

Beelink U59

価格

30,799円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Celeron N5095(PassMark:Average 4014, STR 1509)
  • メモリ容量:8GB
  • SSD容量:256GB

Beelink Mini S

スペックは上記のBeelink U59と同じですが、価格は5,000円ほど低くなっています。

価格

24,480円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Celeron N5095(PassMark:Average 4014, STR 1509)
  • メモリ容量:8GB
  • SSD容量:256GB

Beelink SER4

CPUにRyzen7 4800Uが使われているため、一気に性能が良くなっています。ただ、その分価格にも反映されています。

価格

84,800円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Ryzen 7 4800U(PassMark:Average 17014, STR 2591)
  • メモリ容量:32GB
  • SSD容量:512GB

GMKtec ‎NucBox5

価格

34,980円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Celeron N5105(PassMark:Average 4022, STR 1515)
  • メモリ容量:8GB
  • SSD容量:256GB

MINISFORUM DeskMini UM350

価格

54,980円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Ryzen 5 3550H(PassMark:Average 7965, STR 2072)
  • メモリ容量:16GB
  • SSD容量:512GB

MINISFORUM EliteMini HX90

このクラスになると、ミニPCではあってもほとんどデスクトップパソコンと変わらない性能と価格設定になってきます。内蔵型でも比較的GPU性能に余裕があるため、本格的なゲーミング用途や負荷の大きな動画編集以外は十分にこなせる性能です。

価格

116,980円(2022.8月時点)

主な仕様

  • CPU:Ryzen 9 5900(PassMark:Average 23087, STR 3224)
  • メモリ容量:32GB
  • SSD容量:512GB

結果

機種名価格計算PCMark10 Express
(Average)
計算PCMark10 Express
(STR)
予想
スコア
価格/
予想スコア
Bmax B221,99022121515186311.8
Bmax B2 Plus24,99023962014220511.3
CHUWI HeroBox25,90025832102234211.1
CHUWI LarkBox Pro16,1502583210223426.9
CHUWI CoreBox48,90040183606381212.8
Beelink U5930,79929482564275611.2
Beelink Minis24,4802948256427568.9
Beelink SER484,80056024039482017.6
GMKtec ‎NucBox534,98029502572276112.7
MINISFORUM
DeskMini UM350
54,98039983332366515.0
MINISFORUM
EliteMini HX90
116,98064164902565920.7

まず、不満無く使える予想スコア2,500以上は、Celeron N5095以上のCPUを使っているPCになりました。

また、最も頻度の高い価格/予想スコア比は11~12台になっていることから、ここでは11未満はコストパフォーマンスが高い、13以上はコストパフォーマンスが悪いと評価します。

もちろん、性能が高くなるにしたがってCPUの価格だけでなくメモリ、ストレージ容量も増えるため単純計算はできませんが、今回のターゲットにする価格帯のPCでは概ね外れていないと考えられます。

結論

最もコストパフォーマンスの高いミニPCはCHUWI LarkBox Proでした。価格/予想スコア比は6.9と最も低く、予想PCMark 10 Expressスコアは2342と目安の2500は超えていませんが、BMax B2 Plusの使用感からは一通りのオフィスワークに使うPCとしては大きな不満は生じない範囲だと思います。

何よりも、1万円台で購入できる価格設定は大きな魅力だと思います。

次いで、Beelink Minisが価格/予想スコア比は8.9となり、予想PCMark 10 Expressスコアも2756と目安の2500も超えていることから、オフィスワークでは必要十分な性能を持っていると予想されます。

もう少し金銭的な余裕を持てる場合は、5万円以下で購入できて性能は申し分なく、コストパフォーマンスも低価格PCと同等なCHUWI CoreBoxが選択肢に入ると思います。

もちろん正確な評価ではありませんが、おおよその性能評価から購入の参考になればと思います。