【Tor relay】Torリレーサーバーをセルフホスティングする場合の注意点

Tor(The Onion Router)の概要

Torとリレーサーバー

Torはユーザーの使用するクライアントソフトウェア(Tor Brouser)と、ボランティアで運用されている多数のリレーサーバーで構成されますが、Torのユーザーに対してリレーサーバーは少数です。

Tor ネットワークはボランティアによる帯域幅の寄付に依存しています。
リレーを実行する人が増えれば増えるほど、Tor ネットワークはより良くなります。

  • より高速に(したがってより使いやすく)
  • 攻撃に対してより堅牢になる
  • 停電時の安定性が向上
  • ユーザーにとってより安全です(より多くのリレーを監視することは、少数のリレーを監視するよりも困難です)
https://community.torproject.org/relay/

リレーサーバー検索

2024.2月時点では日本のリレーサーバーは50件未満でした。

リレーサーバー運用の注意点

契約中のISPによってはTorの接続がブロックされる可能性があります。また、ネットワーク機器の負荷が大きくなるため、家庭でのリレーサーバー構築は最小条件を確認の上で運用を考えてください。

リレーの種類

  • Guard relay:Torネットワークの入口ノード
  • Middle relay:Guard relayからExit relayまでの中間ノード
  • Exit relay:Torネットワークから目的サイトへ接続する出口ノード
  • Bridge relay:検閲等の監視によりRelayサーバーのIPアドレスへアクセスできない環境下からTorネットワークに接続するための入口ノード

重要事項

Tor Projectのサイトにも書かれている通り個人がExit relayを運用することは推奨されません

出口リレーの実行には法的な危険が伴うため、自宅から Tor 出口リレーを実行すべきではありません。

Exit relayは図書館や大学等、法的対応の取れる機関で運用される事が理想的とのことですが、日本ではExit relayになっているサーバーはありませんでした。

リレーサーバーの最小要件

リレーサーバーの動作はネットワークへの負荷が大きいので、自宅でリレーサーバーを公開する場合は以下の条件を満たすか注意して下さい。

Guard/Middle relayの回線速度やRAM、転送量はまだしも、家庭用ルーターで7,000の同時接続処理は難しい場合もあると思います。

Bridge relay

  • 1Mbit/s(Mbps)以上の回線速度

Guard/Middle relay

  • 7,000以上の同時接続処理 → 家庭用ルーターでは難しい場合もあり
  • 10Mbps以上の回線速度
  • 512MB以上のRAM
  • 100GByte/月以上の転送量
  • 理想的には24時間の稼働時間

Exit relay

Guard/Middle relayの要件から

  • 1.5GB以上のRAM
  • 法的通知や法執行機関の調査を処理できること

インストール手順

現在、VPS(ConoHa VPS)でリレーサーバーを運用しています。

メモリ使用量が多くアプリケーションのインストールに多少支障は出ていますが、少しでもインターネットの発展に協力できれば、と思っています。

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