40代で考える技術職のキャリアパス:エンジニア・テクノロジスト・テクニシャン

2022-03-28

今まで正直、日々の業務で程よく満足しているためあまり将来のキャリアを考えることもありませんでした。特に就職氷河期世代の人間としては、まず正社員として雇用されることが第一のため、技術職としてのポジションよりも目先の安定が優先されていたこともあります。

とは言え、今後は年功序列の賃金上昇も期待できない状況ですので、自分自身が今後必要な資金も含めて将来のキャリアを考える機会が増えています。

また、転職や転向を考えるにしても40代では異分野・未経験の業種に飛び込むには難しい年齢のため、より良い環境に移るためにも、まずは自分自身の立ち位置を客観的に把握する事は大切です。

この記事では、現在技術職として仕事をしている方が将来的な変化に備えるために、技術者としてのキャリアパスについて記載しています。

あくまで例としてのわかりやすさを中心にしています。状況や細部は異なる事があると思いますが、ご了承ください。

キャリアパスの概要

キャリアパス

企業においての社員が、ある職位に就くまでに辿ることとなる経験や順序のこと。また、個人の視点からは、将来自分が目指す職業を踏まえた上でどのような形で経験を積んでいくかという順序・計画。

https://ja.wikipedia.org/wiki/キャリアパス

この記事では、特に個人が将来の目標を達成するための計画としてのキャリアパスを考えています。

技術職のキャリアパス

技術職のキャリアパスを考える際、まず単一の分野に特化する「スペシャリスト」と広い範囲を浅くカバーする「ジェネラリスト(ゼネラリスト)」に分けることができます。また、技術職では経験年数が長くなっても「管理・運用のマネージャー職」にならず、「現場のプレイヤー」として長く留まる場合もあります。

そして、キャリアパスを考える上で「技術者のポジションと求められる能力」を理解する必要があります。

技術者のポジション

日本では技術職でひとくくりになる事が多いですが、国際的には同じ分野であっても業務の中心が技術に関する理論的な部分か、それとも技術的な部分かによって「エンジニア」「テクノロジスト」「テクニシャン」にポジションが分かれています。

海外では主に学歴によってわかれており、ポジションによって賃金・役職も異なりますが、日本では明確な違いはありません。

もちろん、ポジションによる職業の貴賤は無く、求められる能力・役割が変わるだけで社会には全ての技術者が業務を全うすることが必要です。

エンジニア

主に知識・理論を中心とした業務に従事します。例えば、対象プロダクトに関する設計・計画立案などが当てはまります。

組織やチーム全体のリーダーとして運営・マネジメントに関わることから、マネジメントスキルだけでなく対人関係のスキルも求められ、専門領域だけでなく幅広い教養と高い人間性も必要になります。

  • 学歴:適切な学部で修めた大卒以上
  • 知識レベル:対象領域の深い専門知識と概念的思考力
  • 技術レベル:対象領域に関わる技術の基本的なスキル
  • 求められる業務内容:理論の検証・実現、創造的活用

テクノロジスト

「テクノロジスト」は「エンジニア」「テクニシャン」の中間にあたり、マネジメントだけでなく自分自身の技術も磨く必要もあり、知識・技術のどちらも活かせるポジションです。

組織全体では「エンジニア」が設計・立案した計画に基づいて、自分の所属する組織・チームが求められる結果を出せるように与えられた役割をこなします。

  • 学歴:対象領域の専門学校・短大卒以上
  • 知識レベル:対象領域に関する専門知識
  • 技術レベル:対象領域の基本的なスキルと応用
  • 求められる業務内容:検証・実現された技術の活用、一般化

テクニシャン

「テクニシャン」は、知識よりも技術が中心になる業務を担当するポジションです。技術を活用する方法の考案や、現状よりも便利に使えるように技術を洗練化することが主な役割になります。

また、専門領域で特化したテクニシャンは、現在の水準では難しい技術を実現化するためにエンジニアやテクノロジストが求める水準の技術の開発ににも関わります。

  • 学歴:義務教育に加えて対象領域に関する追加トレーニング
  • 知識レベル:対象領域に関する実務知識
  • 技術レベル:対象領域の基本的なスキルと応用
  • 求められる業務内容:普及した技術の活用・洗練化

技術者・技能者の違い(参考サイト)

技術者のポジションと求められる役割

例えば、本業の医療系では医師をはじめとする専門的技術的職業従事者が集まっていますが、必要な医学的知識と責任範囲から「エンジニア:医師」「テクノロジスト:医療系専門職(管理職)」「テクニシャン:医療系専門職(一般職)」となり、ポジションによって求められる能力・社会的責任が異なります。

*例として単純化していますので、事務部門やさらに細分化された場1合は上記の例と異なります。

ですが、分野によっては法的な責任範囲と必要資格が明示されておらず、また、学歴や資格さえ満たしていれば「エンジニア」と言うわけでもありません。

そのため、自分が「将来的にどのポジションになりたいのか」を考え、「なりたいポジションに求められる能力を身につける」事が必要です。

仮に将来「エンジニア」として管理職になりたいと考えている場合、現場の作業効率向上に役立つスキルよりも、設計・開発した成果を使って企業全体の業績を上げる能力を身につける必要があります。

そして何よりも、現在の勤務先で求められているポジションを踏まえた上で、キャリアパスを実現できるかどうかの判断が必要になります。

 ウチの職場はテクノロジストがベストだけど、テクニシャンも必要だ。 つまり、知識ベースではなく、スキルベースの技能が不可欠だ。

 ところが、エンジニアになろう(なれる)と思ってた人は、知識ベースの仕事をしてしまう。 テクノロジストやテクニシャンは知っているだけではメシは食えない。できなければ商売にならない。

http://yoshi-s.cocolog-nifty.com/cpu/2016/08/post-bbd2.html

個人的には欧米の雇用形態(ジョブ型雇用)と技術者のポジションによる職務は同じ考え方だと思っています

40代になって考えるキャリアパス

正直、40代になって同じ分野でテクニシャンからエンジニアへの転向は難しいのが現実です。特に、本業の医療系の例では医療機関でエンジニアポジションになるには医師免許が必須ですが、医療系でエンジニアになりたいからと40代から医学部を目指すキャリアパスは実現困難なことは理解してもらえると思います。

実際に目指したいかどうかは別として、私自身が現在の職種で目指せる賃金・ポジションの最高はテクノロジストのマネジメント職と言うことがわかります。

当然、今から大学院を出て異分野・未経験の職種に転職しても、何も対策を取らずにエンジニアとしての最高ポジションは難しい事は想像に難くないと思います。そのため、まだ20代、30代前半でキャリアパスの変更が可能な年齢であれば、将来のために自分自身への投資を積極的に行うことは利点があります。

また、キャリアパス変更が難しい年代であれば、目指すポジションで満足できるかどうかの判断と、満足できない場合にどのような手段を使うかを考える必要があります。

もちろん、合わないポジションで仕事をすることが必ずしも幸福とは限りません。ですが、自分自身が技術者としてどんな仕事をしたいか、キャリアパスを考えながら日々の業務にあたることは大切だと思います。