PTAの任意化が進む?2022年4月施行 改正個人情報保護法の気になるポイント

2022-03-15

個人情報を保護するイメージ画像。個人情報と書かれた紙を、鍵をかけた鎖で守っている画像。
注意事項
この記事は個人的にPTAや子ども会活動の各種団体(以降、PTA等)に関わってきた中で、個人情報が適切に取り扱われていない例も経験したため、情報提供として公開しています。法律の詳しい内容や、解釈の妥当性につきましては専門家へのご相談をお願いします。
この記事の対象者

・PTA等への強制的な加入がどうしても許せない方
・自由意思で参加できるPTA等へと改革を進めたい方
・その他、PTA等の活動に関わる方

私自身は、PTA等団体の否定派ではありません。実際、入退会自由の子ども会では体験学習を進めたいと思い、色々と活動をしています。

ですが、強制的な参加にはもちろん否定しているため、ここでは個人情報保護法の改正で事業者として必要な事だけでなく、個人の権利を行使して拒否する事も記載しています。

なお、私自身は法律の専門家ではありません。また、PTA等団体についての意見も個人個人で差があるため、この記事のコメント欄は閉鎖させて頂いています。

個人情報保護法の目的

この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=415AC0000000057

個人情報保護法は情報通信社会の進展に伴う個人情報の保護だけでなく効果的な活用と、そして、もちろん個人情報を持つ本人の権利利益の保護も目的とされています。

PTA等と個人情報保護法

以前は取り扱う個人情報が5,000人以下の場合は個人情報保護法の対象となる事業者から外れていましたが、前回の改正で人数制限が撤廃されたため、個人情報を取り扱う全ての事業者が個人情報保護法の対象になっています。

ですが、PTA等の以前から地域に存在している団体では、今でも慣習的に個人情報の授受が行われているところもまだ残っており、さらに、PTA等の団体では「個人の自由意思に関わらず半ば強制的に参加させられている」ことが問題になる事もあります。

その際、本人の意思のもと提供した個人情報ではなく、第三者から提供された個人情報を使って参加を(半)強制している事が「本人の権利利益の保護」の観点から問題と考えています。

これまでの問題点と改正法の変更点

改正前の個人情報保護法では、6か月以内の短期間で消去されるデータは個人情報保護法の対象外だったため、利用に関して法的な規制はありませんでした。また、個人情報保護法の対象となるデータでも、本人が個人情報を使われたくない場合であっても、一定の条件が満たされないと消去の請求ができませんでした。

ですが、2022年4月の改正では本人の権利保護が強化され、短期間で消去されるデータでも個人情報保護法の対象となったことと、個人情報を使われたくない場合、事業者に消去を請求できる範囲が広くなりました。

短期保有データの個人情報保護法適応

極端な例ですが、PTA等で利用するために何らかの方法で年度初めに個人情報を取得します。これまでは、その後6か月以内に消去する形式で運用していると個人情報保護法の対象外のため事業者としての責務も問われないことになります。

ですが、今後は短期保有データも対象になる事から、運用に関わらず個人情報を取り扱う全ての団体が個人情報取り扱い事業者としての責務を果たす必要が出てきます。

個人データの利用の停止・消去等の請求権の拡充

改正個人情報保護法では、個人データの利用の停止・消去等の請求を「一部の個人情報保護法違反の場合」だけでなく、「1.利用する必要がなくなった場合」「2.個人情報の漏洩等が生じた場合」「3.その他、保有個人データの取扱いにより、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合」にも拡充されます。

特に任意加入にしていないPTAでは、「3.その他、保有個人データの取扱いにより、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合。」として個人情報の利用停止や消去を求められる可能性も考えられます。

任意団体である以上、当然個人の判断で加入しない権利もあります。そのため、強制的に何らかの役員負担が発生する場合は該当するおそれが高いと考えています。

もちろん、最終的には司法の判断になりますが、これまで以上にPTAへの強制的な参加は難しいと考えた方がいいと思います。

施行にあたって

PTA等へ加入・参加を拒否する方

4月以降は上記の通り、個人データの利用の停止・消去等の請求権が拡充されます。良策かどうかの判断はしませんが、どうしても拒否したい場合はPTA等への団体に個人データの利用停止・消去を請求する事もできます。

もちろん、任意加入が原則のため利用停止・消去の請求に関わらず強制されることはないはずですが、少なくとも役員カウントなどは行えなくなります。

PTA等団体の運営者

上記の通り、原則的に個人情報保護法が適応される団体になります。例外としては、団体としては個人情報を使わず対象者全員に、第三者から連絡をするくらいになります。

もちろん、個人情報の削除や利用停止の請求には答えなければなりません。その際、利用停止者としての情報も使えなくなるため、逆算しての把握もできないと考えられます。

参考サイト

個人情報保護法

改正個人情報保護法の解説

PTAと個人情報保護法

改正前の情報になります。

雑記PTA,役員

Posted by ううら