PCMark10 Expressスコアが2500あれば低スペックPCでも不満無く使える
・軽い作業が中心の場合はPCMark 10 Expressスコアが2,500で大きな不満無く使える
・メモリ容量は反映されづらいため、メモリ不足の影響はベンチマークで判断できない
・詳細は個別スコアの評価も必要
経緯
PCの普段使いはブラウザとオフィスソフトの使用が中心で、軽い画像編集はしますが多くの画像を使う事は少ないためスペックの低いPCでもそれなりの作業ができています。ですが、最近はJavaScriptで多くの処理をするサイトが増えたこともあり、スペックの低いPCではブラウザでも軽快に使えるとは言えない事が増えてきました。
今回、PCMark 10を使ったベンチマークテストを行い、古いPCや低スペックPCの実際の使用感とスコアの比較から実用範囲と思われる最低スコアを考えてみました。
古いPCや低スペックPCを対象にしているため大量の画像や動画編集は最初からあきらめて、ブラウザと簡単なオフィスソフトで実用性を評価しています。そのため、ベンチマークはPCMark 10 Expressで実施しています。
ミニPCのPCMark 10 Expressスコアとコストパフォーマンスの比較
PCMark 10スコア
PCMark 10はリファレンスPCのスコアが5,000として、快適に動作するスコア目安としてEssentialsが4,100、Productivityが4,500となっています。
比較にはとても便利なベンチマークですが、主に快適性の評価になっているためスペックの低いPCが実際に使えるかどうかの評価が難しいのが難点です。
テスト機種
DYNABOOK-EX66M
2010年に購入してもう12年も使っているPCです、CPUはCore i5 450Mと初代Core iシリーズ、今では化石のようなPCです。HDDは以前壊れたのでSSDに交換、メモリは8GBに増設しているためか、意外にも処理の重たい作業以外は特に不満無く使えています。Zoomを使う事もありますが、ブラウザを開いたりPDFの資料を見ながらでも余裕をもって使えています。
スペック
- CPU:Core i5 450M(PASSMARK:1211)
- メモリ:8GB
- ストレージ:SSD(SATA):128GB
現在の問題と原因
- JavaScriptを使うサイトの動作が遅い
- パワーポイントで複数の画像を扱うと待ち時間が長い
さすがにCPUが古いため、負荷が増えると途端に処理が遅くなります。SSDへの換装とメモリ増設の効果で、一定程度の負荷までは快適に使えています。
ベンチマーク結果
正直、12年前のPCにしては頑張っている方だと思います。App Startup Scoreが4,700と高いため快適に使えるように感じられるようですが、Productivityを見るとCPUの性能が表れているようです。
Lenovo ThinkCentre M92p Tiny
職場で使っているPCですが、こちらも2013年製のためもう10年近く使われています。ストレージもHDDのままでメモリ容量も4GBと、使えるもののとても快適とは言えないPCです。
正直、オフィスワークで使う範囲では上記のDYNABOOK-EX66Mの方が快適に使えています。
スペック
- CPU:Core i5 3470T(PASSMARK:2949)
- メモリ:4GB
- ストレージ:HDD:500GB
現在の問題と原因
- PC本体、アプリケーションの起動に時間がかかる
- ブラウザで複数タブを開いていると切り替えに時間がかかる
ストレージがHDDによる読み込み時間とメモリ不足が主な原因です。アプリケーションの動作自体は、起動した後は大きな不満はありません。
ベンチマーク結果
使用感に対してEssentialsのスコアは4,100を超えているため、スコアでは快適に使える目安を超えています。内訳をみるとApp Startup Scoreはストレージの影響で低くなっていますが、Essentialsスコア全体への影響は小さくなっているようです。
NEC Ultrabook VK18TG-G
小さく軽いため、自宅で持ち運び用のサブ機として使っているPCです。Office付きだったため中古で購入しましたが、発売自体は2012年とこれも古いPCです。
ストレージはSSDですが、メモリは4GBオンボードのため増設はできません。
スペック
- CPU:Core i5 3337U(PASSMARK:2054)
- メモリ:4GB
- ストレージ:SSD:128GB
現在の問題と原因
- Zoom使用時に他の動作をすると音声、画像が途切れる
- 画像の読み込みに時間がかかる事が増えてきた
大きな不便を感じるほどではありませんが、最近ではCPUの力不足を感じる場面が多くなっています。また、メモリ不足の影響も出ています。
ベンチマーク結果
Productivityのスコアは約3,600と、Lenovo ThinkCentre M92p Tinyと同程度です。Essentialsは快適に使える目安の4,100は超えています。
BMAX B2 Plus(参考)
職場でXAMPPサーバー機として使っているミニPCです。オフィスソフトを使う際も、とても軽快とは言えませんが大きな不満は感じる事はありません。ですが、メインに使っているPCではないため参考として載せています。
スペック
- CPU:Celeron J4115(PASSMARK:2700)
- メモリ:8GB
- ストレージ:SSD:256GB
現在の問題と原因
- 特になし
ベンチマーク結果
PCMark 10 Expressスコアは約2,100と、使用感の割には高くありません。Essentialsは4,500で快適性の目安を超えていますが、Productivityが約2,700と低くなっています。初代Core i5のDYNABOOK-EX66Mよりもスコアが低いのは驚きです。
考察
PCMark 10 Expressスコアの目安は、メモリ容量の影響以外では現状に大きな不満のないNEC Ultrabook VK18TG-Gが2,600のため、負荷の少ない作業が可能な目安としては2,500を超えていれば不満はあまり出ないものと考えました。
ベンチマークの実施中は他の作業や複数のアプリケーションを起動しないため、メモリ容量の影響はベンチマークでは反映されづらく、また、HDDの読み込み速度や起動時間の長さは使用感に大きな影響を与えるため、EssentialsスコアだけでなくApps Start-up Screは4,000以上が快適に使える目安かと思いました。
Gemini Lake.世代のCeleron J4115を使っているBMAX B2 PlusがDYNABOOK-EX66MよりもProductivityスコアが低くなっていましたが、詳細結果を見ると大量の関数計算自体はCeleron J4115の方が早く終わっていましたが、コピーやカットの動作に時間がかかっていることがスコア低下の原因のようでした。
結論
古いPCやスペックの低いPCでも負荷の小さい作業ならまだ使えるPCは多いが、ストレージのSSD換装とメモリ増設は必須。
PCMark 10 Expressスコアが2,000を切るPCではかなり用途が制限される(BMAX B1から)。
PCMark 10 Expressスコアが2,500を超えて、SSD、メモリ8GBならWindwos10のサポート終了まで使える可能性は大きい。
PassMarkとPCMark10のスコア比較
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