感情は正しい。でも、そのまま書かない。ーSNSで「伝わる人」になるための線引きの話ー

1. 基本原則(判断の土台)
まず、投稿判断の前提となる原則を明確にします。
原則①:SNSは「表現の場」ではなく「関係の場」
- SNSは自己完結の吐露ではなく、
不特定多数との関係が継続する公共空間 - 正しさ・熱量よりも
**「どう受け取られるか」「誰が傷つくか」**を優先する
原則②:感情は出発点、投稿は編集後の成果物
- 感情や怒り、違和感は否定しない
- ただし
感情そのもの=投稿内容にはしない - 投稿は必ず
「一段階抽象化・整理されたもの」に変換する
原則③:「伝えたい」より「残ってよいか」
- 投稿はスクリーンショットされ、切り取られ、文脈を失う
- 半年後・1年後に単体で読まれても問題ないかを基準にする
2. 「書くべきこと」の基準
① 事実(Fact)に基づくこと
- 実際に起きたこと
- 自分が直接確認したこと
- 数値・日時・場所など、検証可能な情報
OK例
- 「〇月〇日に、△△のイベントを実施しました」
- 「参加者は約30名でした」
ポイント
- 評価や感想よりも事実を先に置く
- 解釈は最小限にする
② 自分の立場・役割が明確な意見
- 「誰として」「どの範囲で」感じたのかが明示されている
OK例
- 「運営側の立場として感じた課題は〜」
- 「個人的な感想としては〜」
ポイント
- 「みんな」「普通は」「当然」といった主語は使わない
- 自分の射程を明示する=誤解を減らす
③ 再現性・学びがある内容
- 読み手が「他の場面でも使える」示唆を得られるか
OK例
- 「うまくいかなかった理由は〇〇だった」
- 「次は△△を改善したい」
ポイント
- 成功談だけでなく、失敗を構造化して共有する
- 感情よりもプロセスを語る
④ 関係性を広げる/深める情報
- 共感・参加・対話につながる余白がある
OK例
- 「こうした考え方について、どう思いますか」
- 「同じ悩みを持つ方がいれば」
ポイント
- 結論を閉じすぎない
- 正解を押し付けない
3. 「あえて伏せること」の基準
① 未整理の感情・怒り・失望
- その場の気持ちをそのまま言語化したもの
NG例
- 「正直、腹が立った」
- 「もううんざりだ」
理由
- 感情は文脈がないと誤解されやすい
- 共感より対立を生みやすい
※感情は
「日記」「下書き」「クローズドな対話」で処理する
② 特定の個人・集団が想起できる批判
- 実名でなくても「わかる人にはわかる」内容
NG例
- 「あの人たちはいつも〜」
- 「一部の保護者が…」
理由
- 読み手が自分が攻撃されている側かもと感じる
- 信頼関係を静かに削る
③ 内部事情・葛藤の生煮え共有
- 結論が出ていない運営上の迷い
- 調整中・検討中の話題
NG例
- 「正直、運営が回らない」
- 「もう続けられるか分からない」
理由
- 共感より不安を拡散する
- 当事者以外には判断材料が不足する
④ 「正しさ」で他者を切る表現
- 啓発・問題提起を装った断罪
NG例
- 「まだこんなことを言っている人がいる」
- 「分かっていない人が多すぎる」
理由
- 理念への共感者ほど離れていく
- 対話の回路が閉じる
4. 実務的チェックリスト(投稿前5問)
投稿前に、以下を自問することで線引きを安定させられます。
- これは事実か、感情か
- 主語は明確か(誰の話か)
- 特定の誰かが傷つかないか
- 文脈を失っても誤解されないか
- 半年後もこの投稿を残したいか
3つ以上迷うなら、投稿しないが妥当です。


















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