就職氷河期世代の雇用対策では不本意なポジションから抜け出せない

2022-03-30

格差社会のイメージ画像。多くのお金の上に乗った男性と、少ないお金の上に乗った女性が粘土で作られている。その横に格差社会と書かれた、粘土で作った黒板がおかれている。

私自身もそうですが、就職氷河期世代(ロストジェネレーション世代)ではたとえ不本意な就労条件でも、何とか就職先が見つかっただけでも御の字でした。その後も、世間の景気の変化に伴って新卒者の雇用環境は改善した時期もありましたが、就職氷河期世代の既卒者の就職状況は改善しませんでした。

もちろん、政策として対策をとってもらっている事はわかっていますが、バブル崩壊時の正社員世代を守るための犠牲から始まり、社会の共助(相互扶助)のために私たちは自助努力を求められています

現在では各種政策や景気状況もあり改善はしていますが、氷河期世代の年齢が高くなっていることもあり、結局不本意な雇用環境から抜け出せない人は多いです。

制度は上手に使わせてもらっても、やはり自分自身が上手に立ち回る必要があると考えて今回記事を作成しました。

支援内容と受益者のギャップ

2019年度から集中的に就職氷河期世代の支援が始まっていますが、基本的な方針は「正職員」を目指した支援になっています。そのため、根本的に「正職員だけど不本意な仕事を続けている」多くの就職氷河期世代の方は支援の対象になっていません。

また、就職氷河期世代の正職員化を目指した支援とは言え、多くの内容は事業者(企業・会社)への補助金となっており、求職者自体への支援は少ないです。数少ない求職者自体への支援であっても、就労支援の短期間スキル取得はそもそも「業種がほとんど選べない」「会場が遠方」など、とても支援とは言えない内容です。

正社員でも不本意なポジション

それだけでなく、たとえ現在は正社員として働いていても、当時の雇用環境のために本来の学歴よりも悪い雇用条件で就職し、そのまま正社員として継続している方も大勢います。

例えば、4年生の工業大学を出て本来はエンジニアとしての知識を備えていても、就職先が無かったため現在もテクニシャンとして働いている人も聞いたことがあります。

技術者と技能者の違い

そんな中で、この数年間の新型コロナウイルス感染症に加えて45歳定年制やジョブ型雇用が話題になるなど、正社員で働いていても不安になる情報がどんどんと増えています。

45歳定年制

ジョブ型雇用と階級の固定化

就職氷河期世代の現実

新型コロナウイルス感染症もあり、さらに苦境に置かれている同世代の方もいるようです。

今の現状が運が良かったと思うと明日は我が身、他人事とは思えません。

今からでも状況を改善するために

現在の状況から将来のキャリアを想像

年功序列の賃金が無くなっている事は、私たち世代は身に染みてわかっています。むしろ、定年延長も重なったため経験年数が長くなっても役職もつかず賃金も増えないだけと感じている方も多いと思います。

そのため、現在の就労環境と将来の賃金をおおよそ把握しないといけません。自分自身のキャリアパスを改めて考える機会も必要だと考えています。

完全な異分野でスキル習得

上記に加えて、どうしても人間は既得権益を手放したくないため今後はさらにポジションの固定化が進むと思っています。ですが、「ジョブ型雇用と階級の固定化」の参考リンクでも書かれているように、下級から中級へのステップアップや、中級から上級へのステップアップは難しいのが現実です。

転職でステップアップを目指すとしても同業種の場合は過去の経験や役職で判断されることが多く、中高年に差し掛かっている就職氷河期世代が上のポジションで雇ってもらえる可能性は低いと思った方がいいです。

そのため、仮に同業種で転職を目指すにしても本業とは関係の無いスキルや知識を習得し、本業の経験と合わせてポジションアップを目指す方が現実的な作戦だと考えています。

現状は資格条件も無いIT系がおすすめ

これは個人的な意見ですが、現在が非IT系の職業でステップアップのためのスキル習得を目指す場合は、やはりIT系の試験や資格をおすすめします。

理由はもちろん、受験のための条件が無いため誰でも挑戦できる事が大きいです。加えて、ステップアップのために学歴を取得するには時間もお金もかかりますが、情報処理技術者試験は試験を受けて合格すればよいだけなのも大きな理由です。

上述の「技術者と技能者の違い」でも書かれている通り、エンジニアのポジションになる場合は基礎知識も求められますが、少なくとも現時点では国家試験の合格をもって高度試験の合格で基礎知識の習得を証明できます。

当然、ITエンジニアとしてステップアップを目指す場合は基礎知識だけでなく実務能力や実際の技術力も必要になるため、技術力はオンラインスクールでの習得やベンダー資格の取得で一定程度は身に着けることができます。

ですが、本来の目的は「ITエンジニアとしての基礎知識と外部委託を上手に使って本業のポジションをステップアップ」です。

特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAIの活用など、非IT系企業であっても自社内のデータ活用や新たな収益力の確保が求められています。そして、日本の非IT系企業はデジタル化がとても遅いため、まだまだ食い込む余地は残っています。

以上の理由から、ステップアップを目指したスキル習得はIT系のスキルをまず習得していく方が得策だと考えています。

余力がある方は積極的な投資

余剰資金がある場合、もちろん基本は預貯金ですが金利も付かない現在では資産も運用しないと増えることはありません。

今は小額から投資信託や積み立てNISAも行えるため、必要な預貯金以外にも余力がある方は積極的に投資をすることも就職氷河期世代の今後のライフプランには必要です。

残念なことに、私たちより上の世代と違いお任せ運用だけで資産が増える時代ではありません。また、投機のように突然資産を増やすことを目指すと大体失敗します。今までの生活同様、リスクは低く確実な資産増加を目指して運用できるように、必要があれば資産運用の勉強も投資と考えることも大切だと思っています。

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使える制度は使いながらも自助努力

置かれた環境もあり、個人の能力に頼る傾向があるのは現実だと思います。以下の経験談でも副業スキルの取得など、生きていくために必要に駆られたスキルアップが迫られる世代です。

もちろん共助の精神は必要ですがまず何よりも自分自身が第一だと考えて、今後も政策等を気にしながら使えるものは使って、自分自身が楽になるための努力は続けないといけなさそうだと思っています。

就職氷河期世代の経験談

私自身と他3人の方に経験談を書いてもらいました。