氷河期世代の痕跡

2022-09-27

雪の上に残った足跡の写真

私自身、2000年代前半に新卒で就職活動を行っていた就職氷河期世代です。

紆余曲折はありましたが、現在は何とか普通の暮らしをおくることができるようになりました。

とは言え、生まれた時期がずれていたら「もっと苦労せずに暮らせたかもしれない」と思うこともあります。

また、個人の努力で勝ち残った人も多いですが、いくら努力をしていても報われない同年代の話を聞くと身につまされます。

近年、ようやく支援も始まりましたが、正直、今さらこの程度の支援では…と思ってしまう内容です。

しかも、最初から氷河期世代への支援は効果の検証も必要、などとも言われています。

多くの人間が努力だけではどうにもならなかった現実が無かった事にされるのは防ぎたいと思い、氷河期世代についてまとめたページを作りました。

就職氷河期

正職員での就労者数が相対的に少なく、職場内の人数比も小さいため聞いた事しか無い方もいると思いますが現在の30代後半から50代前半の世代にあたります。

就職氷河期(しゅうしょくひょうがき)は、日本においてバブル崩壊以降に就職難となった時期を指す。

リクルート社の就職雑誌『就職ジャーナル』1992年11月号で提唱された造語であり、バブル景気から一転して急落した就職難の厳しさを氷河期に例えたものである。この時期に新卒での就職が困難となった世代は就職氷河期世代と呼ばれ、のちに略して「氷河期世代」と呼ばれるようになった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%B1%E8%81%B7%E6%B0%B7%E6%B2%B3%E6%9C%9F

インターネットは存在していましたが今のように情報が手に入る環境では無く、社会の多様性も少なく新卒での就職先で人生に大きな影響を受ける頃でした。

参考資料

第1部 令和時代の社会保障と働き方を考える - 第1章 - 第3節 4就業形態の多様化と就職氷河期世代の課題
に就職氷河期の資料が掲載されています。

当然、氷河期世代の中にも努力や実力で成功している方はいますし、変化はチャンスと考えるとチャンスも多い時期だったのかもしれません。

ですが、全ての人がチャンスと捉えて挑戦するばかりではありませんし、「普通に勉強して普通に暮らす」生活を目指す人が多いのはいつの時代も変わりません。

個人の問題としてではなく、構造的な問題が放置されて「普通に勉強して普通に暮らす」生活を目指した人の格差が大きくなった時期だと思っています。

氷河期世代の問題

20年前は低い正規雇用率が問題の中心でしたが、その後も氷河期世代の雇用環境が改善されない状況が続いたため、現在は雇用だけでなく引きこもりや未婚率(ひいては出生率)、今後は生活保護世帯の増加が危惧されています。

参考資料

・企業業績の改善で採用活動が積極化した若い年代や、「高年齢者雇用安定法」の効果もある高齢者の雇用環境は改善している。しかし、就職氷河期世代を中心とした中間年齢層では、他世代ほど非正規雇用者率や失業率が改善していない。

・景気低迷期に就職活動期を迎えた就職氷河期世代では非正規雇用者率が高い。就職氷河期世代では正規雇用者でも安泰というわけではなく、10年前と比べて30~40代で賃金カーブが平坦化している。

経済格差は家族形成格差に、中年期の貧困は高齢期の貧困に直結する。就職氷河期世代は既に中年期を迎えており、政策として負の連鎖を断ち切るべきだ。

求められる氷河期世代の救済-経済格差は家族形成格差、高齢期の貧困・孤立問題を生む |ニッセイ基礎研究所

また、氷河期世代は上記の資料の通り、賃金カーブ平坦化に加えて税や社会保障費の増加による可処分所得も低下しています。

2022年現在、氷河期世代は子育て世代の中心でもありますが、上記のように構造的な問題で格差が広がったために近年言われている子どもの相対的貧困にも繋がっていると考えています。

個人的な意見ですが、現在の子ども達が子育て世代になる頃は「世代を越えた貧困の連鎖」も問題になるかもしれません。

遅すぎた現状把握と支援

2019年にようやく政策として「就職氷河期世代支援」が始まりましたが、雇用対策なのか引きこもり対策なのかもはっきりせず、支援内容・支援対象ともに中途半端な感は否めません。

以下は2019年当時の記事ですが私も同意見です。

何よりも悲しいのが、社会にとってはこの世代が「高齢期の生活保護入り」するかもという状況になって初めてそれが社会問題として認識されたのであって、氷河期世代が20余年にも亘ってまともな就業機会も与えられず放置されてきたことそのものは社会問題として認知されてこなかったということ。結局、当事者ではない世代の方々にとっては、自分のオサイフに影響しない内はあくまで他人事なのであって、問題でもなんでもないということであります。人間の本性って本当に世知辛いですね。

遅きに失した「就職氷河期世代への『早期対応』」

記事の最後にもありますが、「社会がこの問題に改めて関心」を持たないと上述したような「世代を越えた貧困の連鎖」が続くと思います。

しかも、貧困の連鎖は経済面だけでなく教育面にも及びます。

東大の同級生たちに話すと、「自己責任じゃないか」「もっと勉強すればいい」「元々、出来が悪いのでは」と言ったんです。
ちょっと待て。今の君たちの環境は誰に与えてもらっているんだ。勘違いするなと、心の底から思いました。
~中略~
経済格差から来る教育格差は、絶対に解決しなければいけないと思いましたね。

東大で感じた違和感を人生の糧に「教育格差をなくす」
【NPO法人「Learning for All」代表理事・李炯植(り ひょんしぎ)】

経済格差が広がるに従って「日常で教育環境が整っている生活」と「努力しないと教育環境が整わない生活」の差も大きくなります。

しかも、上記記事は極端な例ですが「人間、自分と違う世界(環境)の人は理解ができない」ことが多いため、構造的な問題を「自己責任」としてしまうと、氷河期世代の問題と同じことが繰り返されてしまうのではないでしょうか?

近い将来の「オサイフの問題」だけを見るのではなく、もっと先の「世代を越えた問題」を解決するためにも重点的な支援が必要だと考えています。

就職氷河期世代の支援

20年間放置されていたため、現在の氷河期世代の問題は雇用形態も含めた経済的な問題だけでなく、引きこもりなどの社会的な問題にまで広がっています。

引きこもりや直近の生活に関わる経済的な問題に対しては、医療や行政などの適切な介入も必要だと思っています。

政府広報オンライン

古い情報が残ったままや、省庁間の情報はリンクだけで開いてみないとわからないなど、決して閲覧性は高くありませんが一通りたどれるようになっています。

包括的な情報が掲載されていますが、体験談はいい事ばかり書いているので参考になりませんでした。

内閣官房就職氷河期世代支援推進室 Twitterアカウント

最新情報が随時ツイートされているので、上記ポータルサイトよりもこちらの方が情報収集には便利です。

氷河期世代の現状

客観的な資料は令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-に掲載されているため、偏った内容は多くなりますがネット上の記事を集めました。

雇用形態に関しては格差が大きく、もちろん、氷河期世代でも多くの人は「いわゆる普通の暮らし」をしています。

ですが、中には不本意な雇用形態のままで過ごさざるを得ない人も多く残っています。

経験談

私自身の経験と、他3人の就職氷河期の方に経験談を書いてもらいました。

今後のために

上記の経験談でもありますが、「いわゆる普通の暮らし」を送るためにも「自分自身の努力と運」が必要でした。

当然、経済面でも他の世代と比べると恵まれていないのが現実です。

子育て中の場合は家族との時間も大切ですし、身内の介護が始まる年代にもなっています。

今までも苦労を重ねた上に、現在の暮らしを維持するためにさらに苦労が必要になると考えると悲しくなりますが…。

個人的には、経済的な余裕を作るための副業・複業や、定年後の独立を意識しながらのスキルアップや人脈づくりなど、今後何があっても自分自身でしたたかに生き抜くスキルを伸ばした方が良いと考えています。

Posted by ううら