無料・低コストで使えるクラウド会計ソフトを使った感想と比較(主に任意団体と個人事業)

2022-08-23

会計のイメージ画像。決算と書かれたノートと電卓、お金の画像が描かれている。

子ども会や非営利の任意団体を運営している都合で、必要以上のコストがかからず収支把握や決算報告書が簡単に作成できる会計ソフトを探して色々と試していました。

加えて、最近やっとWebサイト運営で収益が出始めたので、収支状況の管理や(将来的に)確定申告を見据える必要から改めて会計ソフトを比較したので、それぞれの会計ソフトの使いやすい点・使いづらいと感じた部分を簡単に紹介しています。

やっぱり独学で、簿記3級は勉強したので最低限の簿記・会計の知識がある前提で説明していますが、使い勝手に簿記の知識の必要性も一緒に記載しています。

会計ソフトに求めること

非営利団体とWebサイト運営で会計の目的が若干変わる部分もありますが、共通した「必須機能」と「あったら嬉しい機能」に分けています。

そんな難しい事はできないので、ごくごく普通の機能ばかりです。

必須機能

必須機能は日々の入力から報告書・帳簿を作成するくらいで十分なので、会計ソフトの基本機能だけです。

  1. 帳簿(仕訳帳・元帳など)の出力
  2. 会計報告書(貸借対照表・損益計算書)の作成
  3. イレギュラー対応(後からの修正)も可能

あったら嬉しい機能

今のところ、あっても無くても問題はありませんが、口座連携や電子帳簿保存法に対応できれば楽になるので助かります。

  1. 口座・クレジットカード連携
  2. 電子帳簿保存法対応 ← Webサイト運営の場合は今後必須
  3. クラウドタイプ ← 今は一人だけなのでそこまで急がない
*確定申告が必要になるまで収益が増えれば電子帳簿保存法対応は必須ですが、その時は必要経費として違う条件で会計ソフトを探すので今のところは「あったら嬉しい機能」にしています。

比較した会計ソフト

ちまたの会計(簿記の知識が無くても大丈夫)

ちまたの会計

数年前から使わせてもらっている会計ソフト(クラウド会計サービス)です。入力が簡単で報告書も見やすいため重宝しています。

いいところ

・出納帳形式(家計簿やお小遣い帳)のため誰でも入力しやすい

簿記や会計の知識が無くても出納帳と同じように記入できるため、誰でも使いやすい会計ソフトです。

・複数の団体を登録できる

同じアカウントで最大5団体まで登録できるため、複数の団体や一般会計と特別会計を別々に管理する場合はとても便利です。団体とはありますが、家庭で使う場合でも使途によって管理をわける等にも使えます。

・記帳内容をエクセルで出力できる

エクセルで出力できるため、必要に応じて別の会計ソフトへの取り込みやNPO会計基準に合わせた再計算が簡単にできます。

使いづらい部分

・複数人での入力・管理はできない

アカウント登録したユーザーだけの利用になるため、入力者を複数に設定する事はできません(アカウントを共有すれば可能ですが、セキュリティの観点からはお勧めできません)。

また、科目が必須入力では無ので誰でも入力しやすい分、慣れていない場合は会計報告書の正確性に影響が出やすくなります。

・レシート取り込み、口座連携は非対応

必須機能では無いですが、レシート取り込みや口座連携には対応していません。

使い方

やよいの白色申告オンライン(簿記の知識が無くても大丈夫)

ちまたの会計では対応していない口座連携やレシート取り込みが使えたら、と思って使ってみました。

スマホアプリを使わないレシート取り込み(スキャナ取り込み)はちょっと手間がかかりますが、電子帳簿保存法にも対応しているので、Webサイト運営の会計管理はこちらを使う予定です。

いいところ

・科目の説明例が具体的に入力されているため記帳になれていない人でもわかりやすい

科目の入力は必須ですが、一覧と一緒に説明も表示されるため簿記に慣れていない場合でも科目の選択がしやすく作られています。

・レシート取り込み、口座連携ができる

一番うれしい機能です!

レシート取り込みは、PCでのスキャナ、スマホアプリのどちらも対応しています。個人的にはスマホアプリの方が手軽で簡単に取り込みできるため、スマホアプリをお勧めします。

口座連携は連携する銀行によって必要な手続きが変わるため、口座連携の設定画面で確認してください。

使いづらい部分

・初期設定では現金、預金が管理されない

設定変更で現金、預金を分けて管理できますが、初期設定のままではどちらも「資産」で管理されます。知っていればすぐに修正できますが、使い方を探りながらだと設定の変更を忘れやすいので挙げておきます。

・会計期間の変更ができない

詳細は「注意点」でも書いていますが、会計期間は1/1~12/31だけで変更はできません。

個人では問題ありませんが、任意団体で使おうとした際に会計期間の変更ができなかったため団体の会計管理は諦めました。

使い方

注意点

「使いづらい部分」でも書いていますが、弥生会計と違いやよいの白色申告・青色申告オンラインは「確定申告ソフト」のため、会計期間の修正ができません。レポートや集計期間は変更できますが、会計期間は1月1日~12月31日で固定のため注意してください。

そのため、会計期間が違う団体の管理に使うのは難しく、仕方なく諦めました…。

また、個人向け(個人事業主)のサービスのため、法人の場合は「お客様の事業形態(法人/個人)向けのサービスではありません。」となり、便宜上個人事業主で登録する必要があります。

法人の場合は弥生会計 オンラインを使うのが適切のようです。

エクセル簿記(簿記の知識が必要)

複式簿記で入力する、とてもシンプルな会計ソフトです。無料ではありませんが低価格(2,200円)です。

当初、ちまたの会計で負債の処理に悩んだため普段の記帳はエクセル簿記、決算書の作成はちまたの会計と使い分けていました。

こちらはエクセルファイルを使った会計ソフトのため、クラウドサービスではありません。

いいところ

必要に応じてメモ欄の追加もできる

基本的に、関数が入力されているエクセルファイルのため空いたセルに自由に入力できます。

摘要欄はありますが、追加のメモや取り込んだ領収書のリンクセルを作ったらかなり便利になりました

簿記の教科書通りに入力できる

シンプルな複式簿記の記帳のため、簿記の教科書通りの仕訳帳で入力する形式になります。

経理に馴染みのない人間の個人的な意見ですが、正直、簿記3級の知識では伝票入力よりも仕訳帳への直接入力の方が教科書通りで入力しやすいと思っています。

使いづらい部分

エクセルの機能を知る必要がある

マニュアルに書いてくれてはいますが、ブックの保護解除や年度の更新処理ではリンクテーブルの編集など、普段のエクセルではあまり触らない機能を使っています。

そのため、エクセルをほとんど使った事が無い場合は戸惑う部分が出てくる可能性があります。

ファイル内の関数が多いので下手に触ると壊れる

非表示セルに関数が入力されているので、保護を解除したまま下手に並び替えや削除をすると計算がずれることがあります。

科目の修正などは保護を解除する必要がありますが、手間はかかっても毎回セルを保護する方が安全に使えます。

使い方

現在作成中です。

円簿会計(簿記の知識が必要)

こちらも複式簿記で入力するため簿記の知識が無いと使いこなすのは難しいですが、無料で使えるクラウド会計サービスです。

円簿「会計」と「青色申告」と両方ありますが、会計期間と作成書類が変わるため個人事業主は円簿青色申告、法人は円簿会計を使った方が良いようです。

色々と試す中で簡単に触ったくらいであまり使いこなしてはいませんが、周辺サービスも合わせるとさらに便利になりそうです。

いいところ

他のサービスも無料で使える

円簿会計だけでなく、領収書・請求書作成や営業日報の記録ができる円簿営業支援、給与計算や年末調整もできる円簿給与も無料で使うことができます。

各種書類の入力・作成の依頼など、無料機能のままでもオンラインアシスタントとの相性が合いそうです。

使いづらい部分

UIが殺風景(入力画面はコードしか表示されない)

インターフェイス(画面)がとてもシンプルな作りのため、慣れるまでは入力場所がわかりづらいです。慣れてしまえば、余分なものが無く見やすいとも言いますが…。

また、入力画面の科目がコードしか表示されないためミスがその場でわかりづらい点は残念です。

使い方

円簿会計の使い方は作成予定はありません、クラウド円簿のWebサイトをご覧ください。

使って無いけど気になるサービス

費用の問題もあり今までは使っていませんが、Freeeやマネーフォワードなど、クラウド会計の代表的なサービスは使い勝手が良さそうな上、バックオフィス連携も充実できそうなので気になるところです。

非営利団体でも、Webサイト運営でも、今後事業規模が大きくなれば考慮したいサービスです。

弥生会計オンラインも最初の1年間は無料で使えるとのことなので、こちらも今後の選択として考えています。

まとめ

今まで使ったり調べた中での結論では、個人事業主(Webサイト運営)の会計管理はやよいの白色申告オンライン(必要に応じて青色申告オンライン)を使うのがベストと思っています。

理由はやはり「電子帳簿保存法」への対応です。

2024年1月まで時間は多少ありますが、これから会計ソフトを使うのであれば対応できないサービスを使って移行するよりも、最初から対応しているサービスを選んだ方がいいと思います。

また、収益事業が無い非営利団体の場合、使いやすさではちまたの会計ですが、簿記の知識がある場合はエクセル簿記や円簿会計の方が正確な記帳ができます。

ただ、役員が定期的に変更になる団体(PTAや子ども会、町内会等)では全員が簿記の知識があるわけでは無いので、ちまたの会計で管理する方が後々まで安心して使えると思います。

Posted by ううら